民話「江差の繁次郎」
民話「江差の繁次郎」
むかし、江差に繁次郎という“とんち”のいい男がいた。
詳しいことは一切わからないが、伝えられている巷の説をつなぎ合わせてみると、文化年間の生まれで明治の初めに六十才くらいで死んだという。五尺に足りぬ小男で、頭と目玉と鼻がベラボーに大きく、四十過ぎまで母と二人暮らしだったという。繁次郎の“とんち”話として伝えられているものの中には、落語のネタや諸国の“とんち”話と共通するものも少なくないが、江差地方でなければ筋道の合わないような“とんち”話も残されている。繁次郎の“とんち”話を、その昔に用いられていた江差地方独特の方言で紹介します。
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